飛行機で会った男の子の話

まだ元気で体力もありまくりだったロミロミセラピスト時代。本当~に色々なことがありましたが、ただ結構もう思い出せなくなってることが多い。(もう10年以上経っちゃってるしなあ)そんな中、今だに自分の中に残ってる印象的な出来事があって、それについて今回書いてみたいと思います。

2014年かそれくらい。セラピスト同士の集まりがあって大阪へ行くことがありました。帰りは、伊丹から福岡行きの飛行機に乗ることになり、私は一番窓際の席でした。3人席だったので、私の隣の真ん中の席には3~4歳くらいの小さい男の子。それから通路側はその子のお母さんが座られてました。
男の子は機嫌もよく人見知りも無く、私もちょっと話しかけて和ませていただきました。その子は右手と左手にそれぞれ何か乗り物のおもちゃを持っていました。

CAさんが近づいて男の子に「いいもの持ってるね。なあに?」と話しかけます。
男の子は右手と左手を交互に差し出し、「しんかんせん!」「ひこーき!」と元気に答えてました。CAさんが今度は「どっちが好き?」と聞きます。
男の子は、間髪入れず「しんかんせん!!」と答えるのでした。
それでお母さんちょっと慌てる (笑)。
でもそれを聞いたCAさんまったく気に障った感じもなく、そうなんだね~と笑って聞いてくださっておりました。隣で見ててもなかなか和む光景でした。

子どもは正直。そして忖度だってしない。(笑)
例えこれから飛行機にお世話になろうという状況でも好きなのは新幹線。
ええじゃないの。
子どもなんだから当たりまえかも知れないけど、こう好きなものを周り気にせずババーンと主張できるその無邪気さ、いいなあ、と思ったりするのでした。
「しんかんせん乗りたい!」男の子は横のお母さんに更に訴えておりました。
「そうね、今度ね。」とお母さん答えておりました。
そうか新幹線はまだ乗ったことないのか。いつか乗れるといいね~なんて、思って聞いてました。
 

さて、、そのあとのこと、です。
そんな会話の、2時間くらいの後でしょうか。
私、そしてその男の子とお母さん。
いや、そのときの飛行機内にいたお客さん全員。
なんと、新幹線に乗ることになってしまったのです。

そのとき乗っていた飛行機は、滑走路スタート地点に移動し、スピードを少しずつ上げて走っていたのですが、急展開。機体トラブルが発覚し、なんと、離陸ができず。機内にいた乗客は皆、その飛行機を降り、代わりの便もすぐ用意できぬと判断され、何と新大阪駅から博多まで、新幹線での振替輸送となってしまったのです。

新大阪駅のみどりの窓口に並んでる間。男の子、もちろん大興奮でした。
「しんかんせん!やったぁ!」って。
私とその子のお母さん、無言で一度見つめあってしまいました。
「こんなミラクルなこと、あるん???」という表情で。

ものの数時間で、とある男の子の夢が叶ってしまった、という話でした。

そして、このことが印象的な出来事として、いまだ自分の中に残ってることについて、私はときどき考えなくてはいけないように思うのです。このことは私にとって 大事なメッセージのような出来事でもあるんだろうな、と。

叶えたい夢があるとき、その夢を叶えることに「恐れがない」ということは、大事な要素なんだろうな、とよく思うのです。

色々な経験をして、その中にはたくさんの失敗や苦い経験もあって。叶えたい夢、やってみたい、挑戦してみたいこと、もちろん色々あるけど、それはやっぱり出来ないかも知れない。他の人に気に入られないかも知れない。。。そういうトゲみたいなチクっとしてくるものも、夢といっしょに現れがちなのが「大人」は多いかも知れません。

子どものようには夢を語れない。
でも、本当にそうか?

夢も、だけど、そもそも恐れていることだって 起きるかどうかわからない。

恐れを完全に自分の中から消すのって、なかなか簡単ではないかも知れない。
でも、起きてほしいことを、本当の自分がいつも願うのは、そう難しくはないかも知れない。
恐れと叶ってほしいこと。どちらに、自分の時間を、エネルギーを、与えるのか。

案外、自分が子どものように夢を語ることを 自分が許してしまえば、飛行機から新幹線に振替輸送するみたいに、急に自分が行きたい流れに乗っかってしまえるかも、知れませんよ。なんてね。